大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年6月10日付け

 「四日連続の霜の朝で昼ごろまで十度以下という、まるで日本の冬のようなここラーモスです」というメールが八日、編集部に届いた。近くにはブラジルで唯一雪が降ることで有名なサンジョアキンも位置するだけに、サンタカタリーナ州の山里ラーモス移住地の冬は別格だ。かと思えば先々週、今年八十周年を迎えるパラー州ベレン市に取材に行った時、朝六時、ホテルで朝食を食べにエレベーターに乗ったら「三十度」の表示が出ていた。一国とは思えないこの多様性こそが、ブラジルらしさか。
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 ハワイ移民の歴史を伝える絵巻、六百二十メートル―。横浜在住の北条楽只(らくし)さん(68)が制作に十四年を費やし、日本画で描いた「ハワイ日系人絵巻」が横浜文化体育館で公開された。産経新聞が報じた。サトウキビ畑での重労働、太平洋戦争、日本人観光客などを描いている。きっかけは約三十年前、移民の女性に「帰るに帰れない。移民で成功したのはほんの一握りなんだよ」という言葉を聞いてから。以来取材を重ね、完成までに一千万円をかけた。北条さんは、「観光地ではない面のハワイも知ってほしい」と話している。
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 リオデジャネイロの地元大学生を中心に、「ブラジルJポップ協会」が結成された。共同通信によれば、すでに中核会員は約五十人。Jポップや漫画、アニメなどに代表される日本の若者文化を発信していくという。南米でこうした団体ができるのは初めてとか。趣味を超えた新たな動きに、〃日系文化の発信地〃リベルダーデも負けてられない!?