東西南北

ニッケイ新聞 2009年6月13日付け

 十三日は縁結びで知られる聖アントニオの日だが、お婿さんやお嫁さん探しと一脈通じるのか、聖アントニオには探し物が見つかるよう頼む習慣もあるという。フェスタ・ジュニーナではクワドリーリャと呼ばれる田舎の結婚式をイメージした踊りが付き物なのも、聖アントニオのせい?
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 十四日のサンパウロ市パウリスタ大通りでは、一二時から第一二回パラーダ・ゲイ。最近は、同性愛者や両性愛者、性転換者だけでなく、一般人の参加も増え、三五〇万人の人出が予想されている。周辺では交通規制も行われるので、当日の車での外出は注意が必要だ。十一日には、サンパウロ市セントロで、ゲイの人向けの服などの市も立ったという。
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 十一日の休日を前にした十日夕方のサンパウロ市は、雨と旅行に出かける人の車が重なり、二九〇キロを超える渋滞を記録。人が増え、車が増えで、飽和状態になるのも近いと考えさせられる光景だが、自動車生産や販売が伸びたことを手放しで喜べないのは少数派か…。
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 雨にも負けず信仰を貫いた人々も多い十一日の聖体祭行事。花びらを使って路上に描かれたキリスト受難の絵などが花絨毯として知られるようになったものの、最近は色付きのおが屑を使う所が多い。サンパウロ州最大の祭りで知られるサンタ―ナ・デ・パルナイーバでは、六〇〇人がかりで描かれた八〇〇メートルの絵の絨毯が、町の中心を飾った。雨のため、人出は三万から四万と、予想された七万人を大きく下回ったが、雨に濡れて色が変わった空の部分も「空には色々なトーンの青があるさ」と。一六年ぶりの雨の聖体祭というが、余りの賑わいに雨を司る聖ペテロ(サンペードロ)までやってきたようだ。