コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年6月16日付け

 都道府県の海外視察における公費支出への批判が、今度は岩手県で起こった。それも昨年のブラジル県人会五十周年に関するものだという。
 毎日新聞によれば、県議五人は伯・亜・米国の視察でイグアスの滝やブエノスアイレスなどを訪問。市民団体が、議会制度事情調査やCO2削減に関する調査という視察予定が変更されているとして「単なる観光旅行に過ぎない」と指摘。視察費を県に返還するよう住民監査請求を行なった。
 各県それぞれの事情がある。しかしそうした批判を目にすると、あの交流は何だったのかと考えてしまう。ブラジルの人たちの気持ちがないがしろにされているようだ。
 記事を見たその日、五十周年祭典の記録DVDができたと県人会長が本紙を訪れた。「県にも送ります」と話す会長の顔を見て、こうしたニュースを聞いてブラジルの関係者はどう感じるだろう、と思った。 (ま)