東西南北

ニッケイ新聞 2009年6月25日付け

 エールフランス機事故で身元判明の男性の埋葬が、二十三日午後リオのバーラ・マンサ市営墓地で行なわれた。事故原因も未解明のため、死亡証明書の死因欄記載は不確定なものと法医学者。防腐処理も行う納棺場では、何カ所も骨折が起き腫れ上がった状態と判っている筈なのに、納棺前の遺体を見たいと言った遺族もいたが、見た後は言葉もなく立ち去ったという。棺は封印した状態で遺族に引き渡されるため、通常の葬儀の様に死者の顔を見せるべくもないが、十六日の五〇体目以降の遺体回収は報告されていない中、埋葬できるだけでも幸せか。
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 新型インフルエンザ患者は二十三日に九四人確認され、計三三四人。患者数は十九日の世界一八位から一三位となった。六月は毎日の患者増で、十四日の一一人と、十七日以降はずっと二桁増加だ。二十三日現在の被疑者は二〇〇人超だけに、一日の確認患者が二桁となる可能性もある。ドル安で国外旅行増加というが、旅行者の二五%が行くアルゼンチンの患者は二十三日現在一二九四人で死者一七人。チリは患者四三一五人に死者四人で、南米旅行中の罹患率は北米旅行中より高い。銀行業務集中サービス会社(Serasa)も二十三日に従業員九七人に自宅待機を命じ、休校数も増えた。集中治療室入院中の患者も少なくとも三人いるようだ。
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 五月七日にパラナ州で起きた、青年二人即死の元州議員による飲酒運転の現場再現作業が二十二日夜行われた。本人は事件当夜、誰とどこで食事したかも覚えていない。深酒後の運転で、起伏のある道路で宙を飛び、一〇メートル先の青年らの車を大破させた元州議は時速一二〇キロで走っていた可能性ありとも。