文協=木多新体制、厳しい船出=今年の赤字17万レアル=4小委員会を増設

ニッケイ新聞 2009年6月26日付け

 文協新体制、正式に船出――。地方理事がほぼ決定したことを受け、ブラジル文化福祉協会(木多喜八郎会長)は第三百八十八回理事会を文協ビル会議室で開いた。ブラジリア、プ・プルデンテ、ベロ・オリゾンテなど遠方から出席した地方理事も含め、二十五人が出席した。三十五の小委員会の委員長らを決定、刷新した運営方法を打ち出す一方、今年すでに赤字が約十七万レアルに上っていることも報告され、厳しい状況でのスタートとなったようだ。木多会長はあいさつで「みなさんの協力と支援で文協運営を進めていきたい」と話した。
 
 会計報告で国井ジェルソン財務理事は、今年一月~五月までの収入九十一万六千八百一レアルに対し、支出が百八万五千九百二十三レで十六万九千百二十二レの赤字収支となっていることを報告。
 八万五千八百二十三レの黒字を計上した昨年と比較すると、約三倍減という大幅な悪化を見せている。
 これらの理由としては、小委員会収入の一部(一五%)納入制度の廃止、四万レの収入を見込んだ「文化祭り」(五月)の収入が五分の一に満たなかったこと、INSSの積立金を過去課税分も含め毎月三カ月分支出していることに加え、現在の不況による協力企業の減少などが挙げられるという。
 国井財務理事は、「INSSの積立金を減額する」とし、昨年の百周年関連の支出が今回の会計に入っていることも指摘した。
 続いて、上辻照子社会担当理事が会員の増減について、新会員が五人、脱退会員が二十五人であることを報告した。
 白石マルセロ副会長が新たな運営システムについて、理事会の直轄下に小委員会があった従来のシステムを廃止し、副会長や理事が統括する「運営」「文化・社会」「連絡」の三委員会を大きな柱とし、各分野に分けた少委員会がそれらに属することを説明した。
 なお、小委員会は現在三十五で、そのうち「イベント・式典」「政府関連」「企業関連」「農業(Bunkyo Rural)」の四委員会が増設されている。
 山下譲二副委員長は、今年九月にアマゾン入植八〇周年式典が開かれることを説明。トメアスー関係者からの要請を受け、七月十五日に客家会館で文協後援の支援晩餐会(参加費百五十レ)を開催することを発表、多くの出席を呼びかけた。
 小林ヴィットル広報委員長が文協の機関誌として「文協ニュース」(四千部)を発行したことを報告、「会員らに文協の活動を知らせる媒体に」と話した。
 会議終了後、理事らは文協大ホール入り口の階段で恒例の記念撮影を行なった。理事らは、カクテルパーティーで懇親を深め、木多新体制の結束を固めていた。