山口県人会=母県から恒例の米寄贈=希望の家に1200キロ

ニッケイ新聞 2009年6月27日付け

 山口ロータリークラブによる希望の家福祉協会への米の寄付が今年も実施され、二十三日午後、山口県人会館で同県人会(平中信行会長)から同協会(上村ジャイロ理事長)に米千二百キロが贈られた。
 この寄付は、山口ロータリーなど同県のロータリークラブの申し出により、十六年前に始まったもの。十万円の寄付金から同県人会が米を購入し、寄付している。
 当初はブラジル社会への寄付だったが、五年程前から同協会に米を贈っている。寄贈式には同協会から大野孔三第一副理事長、同県人会から平中会長、要田武第一副会長、伊藤紀美子事務局長が出席。平中会長から大野副理事長へ目録が手渡された。
 希望の家には現在、二十歳から七十五歳まで九十人が入居し、九十人の職員が働いているという。米の消費は一日十キロで、今年寄付した千二百キロは約四カ月分だという。平中会長は「日系社会に少しでも役立てたら」と語った。
 同協会では年間を通じてリッファの販売や毎月のように開くイベントで運営費を集めている。一カ月の運営資金は二十万レアルにのぼり、月謝が三分の一、会費と寄付で三分の一、行事での収入が三分の一だという。ブラジルでは政府からの援助はなく免税のみ。大野さんは、「一つ一つの積み重ねで運営している。ありがたい」と謝意を表した。
 さらに、「親の話を聞いていると、障害者全員を受け入れてあげたいくらい。ほんの一握りの人しか面倒を見られないが、人の世話をしているので気持ちは良い。苦しさが楽しさになる」と語った。