人気の老ク連書道教室=初心者でも気軽にできる=「ボケ防止にも」と若松さん

ニッケイ新聞 2009年7月8日付け

 老人クラブ連合会(重岡康人会長)が月に二回実施している書道教室が好評だ。今年で十一年目。一世だけでなく、準二世や二世の人たちも参加している。「ボケ防止にもなります」と関係者はその魅力を語る。
 六月二十六日に開催された教室には、四十人ほどが集まった。室内では、各自が黙々と真っ白な半紙に向う姿がみられた。教室はそれぞれのレベルに合わせて、まず、カナ、楷書、行書から入り、草書や変体仮名や隷書へと進んでいく。
 指導をしているブラジル書道愛好会の若松如空会長(78、茨城)は「書道のレベルは人それぞれ。一世、二世などいろいろな人が来ます」と語る。指導は纐纈(こうけつ)喜月さん(80、岐阜)も行っている。
 手本を参考に書いた作品を毎回提出し教室は終了する。次回に、若松会長が朱筆を入れ、優秀な作品はみんなの前で発表され、暫くの間教室に展示されるという。
 同教室が始まったのは、十一年前。最初は五、六人から始まったという。会員には一世が多く、ほとんどが書道を経験したことのある人だが、子供の頃移住した人や二世の人には初めての人が多いという。
 三年程通っているという武田倶仁子さん(75、鳥取)は「書くほどに上手になり、嬉しい。知り合いと話すのもここの楽しみです」と感想を語った。
 「真っ白な所に墨を入れるので、書き直しが効かない。手を動かし精神集中するので、ボケ防止にもなります」と書道の魅力を語る若松会長。自身は小中学校の時に経験したのみで、五十歳のときに妻に誘われて始めたという。日本の書会「北辰書道会」にも入会しており、会員にも通信で学ぶ人もいる。
 同教室は、老ク連会員は一回四レアル、会員以外は一回六レアル。老ク連では第二、第四金曜日午後一時から午後三時に開講。そのほか、ブラジル書道愛好会や、ピニェイロスなどでも開講されている。