東西南北

ニッケイ新聞 2009年8月25日付け

 二十三日はスポーツ界の朗報二つ。最初はスペインでの自動車レースF1欧州グランプリでのルーベンス・バリチェロ優勝で、F1でのブラジル人レーサー優勝は一〇〇回目。五年間優勝から遠ざかっていたバリチェロが、欧州グランプリ唯一のブラジル人選手の意地を見せた。もう一つは女子バレーのワールド・グランプリ優勝で、北京で五輪初優勝を決めたのと同じ日に、一四戦全勝で八度目のタイトル獲得。北京でセッターを務めたキャプテンのフォファンの穴を、第二セッターだったダニ・リンスが見事に埋め、最優秀選手はシェイラ・カストロ。新チームの第二セッターは日系人のアナ・チエミさん。
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 サンパウロ市南部のカッポン・レドンドのファヴェーラでは、立退きで二十四日朝から住民と警察との揉み合い発生。タイヤや小屋に火をかけ、投石などで抵抗する住民に対し、警察側は催涙ガスなども使って撤去作業。着の身着のままで放り出され途方にくれる人もいる。路上生活者収容施設閉鎖に移転先も無いファヴェーラ住民立退きなど、行政の名の下で生活の場を奪われた人々の明日は誰が保証してくれるのか。
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 新型インフルエンザウイルスは豚と鳥と人間に感染するウイルスの混合型とは聞いていたが、チリの七面鳥飼育場で同ウイルス検出と二十二日付エスタード紙。二十三日付フォーリャ紙には、南極のペンギンや野生のあひるからウイルス検出の報道。やはり豚と人間だけでは済まなかった…。
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 官房長官との会合発言で騒がれているリーナ前国税調長官周辺で、元側近が役職を外されたり、公用車運転手辞任など、証拠隠滅と思しき動き継続。大統領府のビデオ画像は三〇日で消去され、車の出入り記録もないとは口裏合わせか真実か。