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「来年も帰って来たい」=中平マリコさんが帰国=今年は2カ月60公演も=パ国移住地にも曲贈る

ニッケイ新聞 2009年8月27日付け

 南米で活動を始めて六年目、コロニアに日本の歌を届け続けている歌手、中平マリコさんが十七日、約二カ月間の滞伯を経て帰国した。日本カントリークラブ(六月十一日)から始まり、憩の園バザー(八月十六日)まで、公演数は大小合わせて六十回以上に上った。帰国当日、挨拶のための母芙早恵さん(79)と救済会の吉岡黎明会長と共に本紙を訪れた。
 中平さんの南米での活動は全てボランティア。持参した新作CDには、百周年記念曲「歩みつづけた100年」、昨年ブラジル滞在中に生まれた「ありがとう」ほか、パラグアイのピラポ、イグアス、ラパス移住地それぞれの五十周年記念曲も入っている。
 今年は初めてベレン、トメアスーにも足を伸ばした。現地で出会った第一回アマゾン移民の山田元さんの言葉「成功している姿を親に見せられなかった。母を大切にしてあげてください」が印象的だったと振り返る。
 バストスでの公演は、島内憲駐伯日本国大使の尽力で実現。カンポス・ド・ジョルドン市のカンポスさくらホームに立ち寄った際に同地の情景を歌った「バストス音頭」の歌詞をもらい、バストス公演では皆で歌ったという。
 また、昨年訪れたパラグアイのピラポ、ラパス、イグアス各移住地の人から、ぜひ歌を作ってくれと頼まれていたが、今年、同地で発表できたことが嬉しかったという。
 中平さんは、「故郷を離れる気持ちです。最後の公演では、一曲歌う度に、お別れが近づいていると感じた」と述べ、「移民の人たちからのリクエストを取り入れて、また来年帰って来たい」と語った。
 四回目の来伯となった母親の芙早恵さんは「日系社会には明るさがあり、団結して頑張っていると感じた」と感想を語った。

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