ジュリア・ムーンさん=新著「香」の出版会=3日

ニッケイ新聞 2009年9月3日付け

 ジュリア・ムーンさん(本名・津守スエリ)のポ語新書「香―Perfume de Vampira」の発売を記念し、三日午後七時半からショッピング・パチオ・パウリスタの書店サライーバ(トレーゼ・デ・マイオ街1947)で発売記念イベントが開かれる。サイン会を予定。
 ジュリアさんは、これまで三冊の短編小説を出版。ヴァンパイアや狼男などを専門に扱い、ファンタジーやホラーの世界を鮮明に描き出す。その世界に魅了される若い世代のファンも多い。
 四作目となる同作品は、計三百七十一ページにわたる超大作。執筆には、一年が費やされた。
 物語は、時代を遡り江戸時代末期の日本に始まり、現在のサンパウロまで展開する。同時代に生きた少女・香は一人の花魁と関わりをもつことから、数奇な運命を歩むことに。
 「ヴァンパイアは美しい、人間と似ています」と語るジュリアさん、「けれど、まだ会ったことはありません。幸いですね」と微笑む。
 同作品では、サスペンスやロマンスの要素も加えたと紹介する。又、随所に日本のポップカルチャーもちりばめられているなど読んでいて楽しめるとか。
 ジュリアさんは「たまには現実を離れ、ファンタジーの世界に浸ってみては」と勧めた。
 定価三十九・九〇レアル。問い合わせは、同書店(電話=11・3171・3050)まで。
 ジュリアさんの公式サイトは、www.giuliamoon.com.br