国外犯処罰=浜松の女子高生ひき逃げ事件=ヒガキ被告の判決が確定

ニッケイ新聞 2009年9月3日付け

 【リオ共同】一九九九年に浜松市で女子高生落合真弓(おちあい・まゆみ)さん=当時(16)=がひき逃げされ死亡した事件で、過失致死などの罪に問われた日系ブラジル人ヒガキ・ミルトン・ノボル被告(34)について、ブラジル・サンパウロ州検察当局は上告期限の一日、禁固四年を支持した六月の控訴審判決を受け入れ、上告を断念した。
 弁護側も同日、上告見送りを明らかにし、これにより日本がブラジルに代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)を求めて審理中の四事件で初めて判決が確定。
 控訴審判決は、一審と同様に禁固四年を支持した上で、最低賃金の百八十カ月相当分(約四百十万円)とした被害者遺族への賠償金などについて、妻子ある被告の財政事情を考慮して十カ月相当分(約二十三万円)へと大幅に減額、社会奉仕活動も義務付けた。
 同国の法制下では賠償金などの支払いや一定期間の社会奉仕活動を禁固刑に替えることができ、活動に従事している間は収監されない。検察当局者は「現実に即した判決。法的手続きにも問題はなく、上告する理由はない」と述べた。
 ヒガキ被告は九九年七月二十六日夜、浜松市の国道で落合さんを乗用車ではねて死亡させた。事件の四日後にブラジルに向けて出国し、日本の要請を受けたサンパウロ州検察当局が二〇〇七年一月に起訴、同年二月から公判中だった。