ブラジル日本通運30周年=サンパウロ市=川合社長迎え記念式典=駐在4人から全伯5カ所へ

ニッケイ新聞 2009年9月5日付け

 ブラジル日本通運(和田亮社長)は創立三十周年を記念して八月二十四日、日本通運株式会社の川合正矩代表取締役社長を迎え、サンパウロ市内ホテルで記念式典を盛大に開催した。式典には来賓や関係者を含め、約二百人が出席。米国やカナダ、中南米諸国の代表者も出席し、共に同社の功績を祝った。
 同社は一九七三年、四人の駐在員事務所から始まり、七九年に現地法人として登録した。七〇年代、多くの日系企業が進出し、人の移動と共に規模が拡大してきた。現在ではサンパウロ本店を始め、マナウス、カンピーナス、リオ、サントスにそれぞれ支店を持ち、約五十人の社員で個人の引越、国際輸送などを中心に業務を行っている。
 式典では始めに川合社長がブラジル日通の三十年の歴史を振り返り、「四人で始めた会社が、現在では、五十名の従業員になり、四つの支店を構えるまでに成長した」と述べ、「世界の顧客に物流を通じて貢献することを目標に、信頼される企業として、ブラジルでより一層、事業に邁進する覚悟」と挨拶をした。大部一秋在聖総領事の挨拶に続き、ブラジル日本商工会議所の田中信会頭は、「丸に〃通〃と言えば、日本では駅前に必ずある。今日の日通は先端装備を備えた情報システム産業にまで進化した。世界のあらゆる場が職場という印象です」と活躍を称えた。
 その後、鏡割りが行われ、パナソニック・ド・ブラジルの松田雅信社長の音頭で乾杯をし、祝賀会が始まった。会場では大画面を使って三十年の歴史を振り返った。川合社長(65、静岡)は「資源国で、これから大きく発展する」とブラジルの印象を語り、「三十年経った割には機能が今ひとつ。ブラジルの規模を考えたら、もっと手広くやりたい。現地の人たちの役に立てる、ロジスティック(物流)企業になりたい」と語った。
 また、和田社長(54、兵庫)は「顧客を大切にし、安全、環境に配慮し、物流から新たな価値を提供していく。これからも信頼される企業でありたい」と述べた。