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ニッケイ新聞 2009年9月11日付け

 ラーモス移住地の悲願だった近隣都市クリチバーノス、フレイ・ロジェリオ両市を結ぶ舗装道路の開通、移住地内を流れるマロンバス川の架橋が生活を変えた。かつては、雨が降ると道がぬかるみ、通学バスを小学生らが押したこともあった。一九七一年に入植した尾中弘孝会長は「生産物が痛まないよう早取りしていたが、今では朝採ったものを出荷できるようになった」と笑顔で話し、「移住地に活気が出てきた」と笑顔。
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 長崎県国際親善協会から贈られたラーモス移住地の「平和の鐘」。現地在住の被爆者小川和己さん(80、長崎)が中心となり、原爆資料館と日本庭園を合わせた平和の鐘公園の建設を進めている。「鐘をシンボルとした意義あるものを」と意気込む関係者ら。小川さんは地元の学校で体験を語るなど、平和学習を行なっている。南伯のみならず、南米の平和発信村としての発展を期待。
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 アマゾニア連邦農牧大学(UFRA)の沼沢末雄氏が学長に就任した。トメアスーの二世とあって、農業発展に尽力してきた移住八十年の歴史を振り返るとき、まさに面目躍如といえるだろう。アマゾニア連邦大学(UFAM)でも、大学関係者や高拓生二世が日本語学科の新設に向けて奔走しており、将来に向けたアマゾン地方での日系の芽が吹き出しているようだ。