コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年9月16日付け

 今日十六日、トメアスーで入植八十周年祭が行われる。多くの人が苦闘の歴史を振り返り、これからの発展を誓っていることだろう。
 戦前、戦後をあわせ、約一万人の日本人が人跡未踏の地に挑んだ。約八割が去ったが、現在五万といわれる日系社会があり、アマゾンの発展に寄与している。
 八十周年事業に対しては、不況で地元企業の協力も少なく、日本からの訪問団は選挙の影響もあってか、わずか五人。
 アブリル出版社の雑誌『VEJA』が今月号でアマゾン特集号を組んだが、日本移民に触れるページはない。
 この節目を取り上げる日本のメディアもなく、百周年と比べると、何とも淋しい限りだがー。
 アマゾン経済を支える産業を生み出すという他民族にない偉業をなし遂げた歴史を日本人として誇りに感じ、深く心に刻む機会としたい。(剛)