コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年9月24日付け

 先日あったブラジル靖国英霊奉祭会の会場で、一際目立っていたのは松柏学園の生徒7人だ。代表して2人の生徒が戦死者や開拓移民へ感謝の気持ちを読み上げた。
 先々週、同学園の「四季まつり」で、創始者の川村真倫子さんと話す機会があった。意外にも当初、戦死者や移民を靖国の霊と共に祀ることに生徒は反対したという。
 理由は「安らかに眠る霊を起こすことはない」とのこと。予想外の発想に驚いたが、日常的に道徳教育を受け、靖国神社に参拝経験があるからこその考え方と納得。
 一世の高齢化が進み、靖国講の意味を理解する二世も減少する中、いかにして継承していくかが課題として残るだろう。
 同学園のような教育を施すのは至難の業。14歳の時の戦争体験により、教師を志した川村さん。彼女の意志を継いだ生徒達の役目は今後、増えていくだろう。(仙)