賑やかに九州ブロック芸能祭=県人会長自ら舞台に=「九州の絆深めた」

ニッケイ新聞 2009年10月1日付け

 九州7県および沖縄県の8県人会が共催する「第8回九州ブロック芸能祭」が27日、ブラジル熊本県文化交流協会の会館で開催された。今年は同協会が担当で、テーマは「我らは九州の家族」。各県人会から計54演目が演じられ、約250人が訪れ、お互いのお国自慢を存分に楽しんだ。
 沖縄県は「涙そうそう」で9人によるフラダンスを披露、舞踊「四つ竹」できらびやかな衣装で登場すると会場が「わっ」と華やいだ。
 宮崎県の金竹沙記さんらはおそろいの水色の着物にピンクの花を手に、「日南路音頭」を舞った。佐賀県は団体踊り「お猿のかごや」や「おてもやん」で会場を楽しませたほか、12人参加で健康体操も発表。
 鹿児島県の中村スミさんと下田かずこさんは、「りんごの唄」に合わせ女性同士でおしゃれに社交ダンスを披露した。
 長崎県は長唄「元禄花見踊り」などで会場を沸かせ、大分県の伊東信比古さんは歌を交えた小話で会場を引き付けた。
 熊本県は青年部が、ギター伴奏に合わせ「上を向いて歩こう」を熱唱。気持ち良さそうに歌う姿に、会場から手拍子が起こった。
 同芸能祭では県人会長自らも芸をお披露目。合唱「荒城の月」には、大分県人会の矢野敬崇会長が出演。野口圭三長崎県人会長は詩吟「川中島」を披露した。
 鹿児島県人会の園田昭憲会長は歌で会場を魅了、小山田祥雄熊本県人会長は青年部と一緒に「熊本慕情」の合唱に参加した。
 最後は、沖縄県人会による迫力ある琉球国祭り太鼓。来場者が、舞台前に集まりカチャーシーに加わっていった。
 「宮崎あばれ太鼓」を歌った竹下達也さん(68)は、「ハプニングもあったが何とか上手くいきました」と安堵の表情をみせた。
 「同芸能祭は、お年寄りが趣味を披露する良い機会ですよ」と楽しんでいたのは、舞踊「川」を披露した熊本の難波美智子さん(84)。同県人会婦人部の高木松江さんは(80)は「おてもやんが綺麗だった」と感想を語る。
 福岡の高数義さん(78)夫妻は「沖縄文化が独特でおもしろい。福岡県人会は、あじさいグループが良かった」と話していた。
 初めて訪れたという南アゴスチーニョ福岡県人会長は「じっくり楽しめた。8県の協力がすばらしい」と満足気。小山田熊本県人会長は「今年も九州の絆を深めることができた」と振り返った。