レジストロ=「移民史資料の宝庫」=根川准教授が調査に

ニッケイ新聞 2009年10月6日付け

 ブラジリア大学外国語翻訳学部の根川幸男准教授が8月29、30両日、レジストロを訪れ、当地での戦前、戦中期のブラジル日本移民の子弟教育と在日ブラジル人子弟教育の状況比較研究の調査を行った。
 根川准教授は同研究の代表者で、共同研究者はブラジル側から松原礼子USP教授、高野ユウコ(ブラジリア大学外国語翻訳学部准教授)ほか、日本側からは森本豊富・早稲田大学教授、ミックメーヒル・カイラン大東文化大学准教授、中野紀和・大東文化大学准教授、山ノ内裕子・関西大学准教授など。
 調査地域は、ブラジルではサンパウロ市、ビリチーバ・ミリン、スザノ、ロンドリーナ、レジストロ、日本では群馬県、静岡県、愛知県等ブラジル人集団地となっている。
 根川准教授は、戦前、戦中期の日本語学校に関しては「移民の故郷」と言われるレジストロを抜きにしては出来ないと当地を訪れた。81歳から90歳の9人にインタビューをして、戦前、戦中の日本語教育や当時の生活、思い出などを聞いた。さらに今回の訪問では、1937年頃、仁戸田庸一郎先生が作詞、作曲した第5部(ラポーザ地区)の日本語学校の校歌のCDを入手し、5部の日本人会館、旧日本語学校跡を訪れ喜んでいた。
 根川准教授は「ブラジル日本移民の故郷レジストロを訪れることができ感無量でした。やはりレジストロは最も古い日本人植民地だけあって移民史資料の宝庫だと認識いたしました。もう少し近ければ毎月でも通いたいところです。皆さんが子供の頃、逆境にもめげずに生活した思い出話、胸を打つものがありました」と語っていた。(金子国栄さん通信)