リオが石原発言に抗議=「ブラジルを侮辱」

ニッケイ新聞 2009年10月8日付け

 【コペンハーゲン共同】2016年夏季五輪開催都市に選ばれたリオデジャネイロは、東京都の石原慎太郎知事に不適切な発言があったとして、国際オリンピック委員会(IOC)に正式抗議すると発表した。リオ招致委員会のマイク・リー顧問は「IOCの手に委ねることになるが、彼は謝罪するべきだと思う」と6日に語った。
 石原知事は帰国した4日の記者会見で、IOC総会での開催都市決定には「目に見えない政治的な動きがある。これは歴然としている」などと発言した。海外メディアがこれを「石原知事が、舞台裏の取引があったため、招致に失敗したと非難した」などと伝えた。
 リー顧問は「リオは公正でクリーンなレースをして勝った。(マドリードとの決選投票は)66票―32票で勝ち、最高の招致だったことは明白だ。ブラジルは誇り高く、大きな自尊心を持った強い国だ。ブラジルを侮辱したことになる」と批判した。
 IOCの猪谷千春副会長は「僕も言いたいことはいろいろあるが、ぐっとこらえている。そうしないと次に(招致に)立つ時に影響する。ここはグッド・ルーザー(潔い敗者)にならないといけない」と話した。