第50回海外日系人大会=天皇皇后両陛下=歓迎交流会にご出席=にこやかに30分も

ニッケイ新聞 2009年10月15日付け

 【東京支社=藤崎康夫支局長】海外日系人大会が本年大会で50回を迎えた。14日午後2時から東京・憲政記念館において海外20カ国、日系人200人以上が参加して、節目の式典が開催された。その後に行われた歓迎交流会には、天皇皇后両陛下も10年ぶりにご出席され、約30分にわたって一人一人にお声をかけられた。

 14日付け共同通信によれば「交流会ではメキシコの日系二世、カルロス春日さん(72)が『日本との懸け橋になった一世の苦労は無駄じゃなかったと、両陛下にご報告したい』とあいさつ。大きな拍手で迎えられた両陛下は笑顔を浮かべ、周りを囲んだ参加者に声を掛けた」という。
 大会は14日の式典と歓迎交流会をはじめ、翌15日には代表者会議、16日の視察研修会などが行われる。
 海外日系人大会は次のような経緯で始まった。第二次大戦で敗戦国し、混乱と極度な食糧不足にあえいだ日本に対し、海外日系人により1946年から52年にかけて粉ミルクをはじめ不足する食品類や衣料などの救援物資が「ララ物資」として日本へ送られてきた。
 米国だけでなくカナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなどにも、日本救援のための日系人の組織が誕生し、各国赤十字社を通しての支援活動が行われた。その送付総額は52年当時の価格で、400億円を超えていたという。
 56年末、日本の国際連盟加盟を機に、敵国人としての日系人の労苦、そして日本敗戦後の「ララ物資」など日系人の母国支援に対し感謝し、国会議員を中心に、57年5月「海外日系人親睦大会」が東京において開催されたのが、第一回大会だった。
 なお当日は、海外日系新聞放送協会賞の授与式が行われ、高木ラウル同協会会長からサンパウロ新聞の鈴木雅夫社長に賞状が授与された。