イタペチニンガ=尾崎守・美恵子夫妻金婚式=来賓ら100人、サンパウロ市からも

ニッケイ新聞 2009年10月17日付け

 イタペチニンガ在住の尾崎守・美恵子夫妻の金婚祝いが11日、同地で行われ、サンパウロ市や聖南西代表ら約100人が集まって楽しい一日を過ごした。当日は、同時に守さんの着伯50周年、日本語教師生活50周年も祝われた。
 守さん(76)は旧関東州大連で生まれ、長崎県で育った。農業経験がないことから力行会を通して58年12月にブラジル丸で渡伯し、翌59年2月からピラール・ド・スルの牛島分(わかつ)さんの農場で働きはじめ、その娘、美枝子さん(71、二世)と同年7月に結婚、7子をもうけた。農業の傍ら日系子弟を集めて日本語教師も始め、以来、サンミゲル、イタペチニンガと通算して約700余人の生徒に教授してきた。
 昼から同地のシャッカラで行われた祝宴では、長女浩美、次女清美、長男行夫、次男茂夫、三女文江、三男勇三、四男智さんらとその家族計25人(うち孫11人)がまず紹介された。
 長女が挨拶に立ち、「カッスーラ(末っ子)より若い年で、50年前に父は一人でブラジルにきた。今まで頑張って私たちを育ててくれて、ほんとうにありがとう」と感謝の気持ちを述べると守さんは涙をぬぐった。
 続いて孫4人がマイクを持ち、英治くん(9)、初孫のガブリエエラさん(19)、ルーカスさん(13)、ファビオさん(15)がそれぞれ感謝の気持ちを語り、写真付きの家系図を夫妻に贈った。
 来賓として出席した聖南西文化体育連盟の山村敏明会長が「三つの50周年で三重の喜び。尾崎さんはこの国にきて西も東も分からないうちにパトロンの娘を射止めた。誰にもできない早業」と会場を沸かせた。
 下本八郎元サンパウロ州議は「尾崎さんはサンパウロ市の文協や日語センターでも常にはっきり意見をいう立派な人。そのような声があるから団体は軌道修正していける」とのべた。
 前夜には、これを記念してサンパウロ市から放談会(田辺豊太郎呼びかけ人)メンバーが集まって特別な座談会を行うなど、一味違った金婚式になった。