サントス=移民上陸記念碑が移転=タヴァレス市長「より価値あるものに」=来年は文化祭りも予定に

ニッケイ新聞 2009年10月21日付け

 ボケイロン海岸にあったサントス日本移民上陸記念碑の移転祝賀式典が18日午前、移転先のロベルト・マリオ・サンチーニ公園であった。地元サントスからは、ジョアン・タヴァレス市長、中井貞夫市議、現地日本人会の土井紀文セルジオ会長、上新、遠藤浩両元会長が出席、サンパウロからも県連の坂本アウグスト副会長(栃木)ら多くが駆けつけた。タヴァレス市長は、「記念碑がさらに価値のあるものになった。6月18日の移民の日に、日系フェスタを催す場所としてはどうか」と同公園の活用を促し、市としても協力する考えを示した。

 同碑はブラジル日本移民90周年事業として、県連による建設委員会がコロニア1ドル募金でコロニア内外から浄財を集め、ボケイロン海岸に建設された。1998年6月21に行われた除幕式には、小渕恵三外相(故人、当時)も臨席して盛大に執り行われた。
 しかし、記念碑前に遊歩道や自転車のサイクリングコースがあることから「危ない」「写真が取りにくい」「駐車スペースがない」などの声が県連に寄せられ、移転が昨年から検討されていた。
 移転先のロベルト・マリオ・サンチーニ公園は、サンヴィセンチ市との境にあり、昨年の100周年で設置された造形作家大竹富江さんのデザインによるモニュメントがある。各種文化施設やサーフィン大会も開催される。
 式典でタヴァレス市長は、101年前に上陸した日本移民の歴史に触れたうえで、「市民の憩いの場であるこの公園に移転したことで、記念碑がさらに価値のあるものになった」と話し、さらなる日系コロニアの活動に期待を込めた。
 土井セルジオ会長(57、三世)は、「老若男女が集うこの場所以上に素晴らしい移転先はない」と喜び、関係者らに感謝の意を表した。
 続いて、記念碑前で桜の植樹が行われ、鳥取県人会による「シャンシャン傘踊り」や沖縄県人会の「琉球国祭り太鼓」も披露され、多くの市民が足を止めていた。
 サントス在住のシレーニ・レイス・クーニャさん(65)は、「前の場所よりよく目立つわね」と笑顔で話していた。
 式典後は、ヴィラ・マチアス区の会館に場所を移し、「第2回サントス文化祭り」が行われ、参加者らは、合気道の演舞、カラオケなどを楽しんだ。