ひな祭りとうな丼祭り=目と舌で来場者楽しませ

ニッケイ新聞 2009年10月29日付け

 ブラジル北海道協会(木下利雄会長)は18日、サンパウロ市内の同会館で「第1回ひな祭り」と「第3回うな丼祭り」をあわせて開催した。会場ではうな丼を美味しそうに頬張る人たちで賑わいを見せた。童謡「うれしいひな祭り」の音楽が流れる中、道庁から贈られた7段飾りのひな檀が2セット飾られ、五月人形も展示、会館外には鯉のぼりが優雅に泳ぎ、ブラジルの子供の日(10月12日)を演出した。
 ヒグマ会(青年部)手作りの水羊羹が販売され、会場の外ではシュハスコやイカの丸焼きも用意された。また、日本文化に親しんでもらおうと、聖総領事館提供の半被や浴衣を着て、ひな壇の前で記念写真を撮る姿も見られ、家族連れなどが舌と目で楽しむ一日となったようだ。
 木下会長自ら厨房で腕をふるい、正午頃から来場者にうな丼が販売され、午後4時までに150食を販売した。
 4人で仲良く舌鼓を打っていたのは、山田健壽郎(88、愛知)さんとオルガ夫人(81、二世)、黒岩一実(85、二世)さんと美恵子夫人(79、愛知)だ。東京・銀座で鰻を食べたことがあるという一実さんは「木下会長の味は一番。あっさりしていて美味しかった」と満足した様子。オルガさんはひな壇の前で由来について同協会に質問するほど興味津々。「綺麗で可愛いですね」と言い、流れる音楽に耳を傾けていた。
 初めて開催したひな祭りについて木下会長は、「(着物を着て写真を撮ったりと)来た人が喜んでくれたようで良かった。来年は3月3日にやってみたい」と早くも第2回目への期待感を語っていた。