「笑える余裕、見習いたい」=読売新聞リオ支局長=小寺氏が帰国

ニッケイ新聞 2009年10月30日付け

 2007年11月に着任した読売新聞の小寺以作リオ支局長(35、大阪)が任期を終え、11月10日に帰国する。
 異動先は金沢支局。「常夏のリオから、寒い裏日本…辛いです」と苦笑いしながら、2年間の駐在生活を語った。
 日本移民100周年があったこともあり、老移民に取材をする機会が多かった。
 「老、病、死と向きあいつつ、家族と仲良く暮らしているような印象を受けた。今の日本人にはない〃笑える余裕〃を見習いたい」と話す。
 本紙が企画した特派員エッセーにも関連取材にかける熱い思いを寄せた。しかし、「日本側の関心のなさに加え、自分の力不足もあって十分な記事を日本に送れなかったことが心残り」と不満げな表情を見せる。
 日伯関係に関しては、「現在は親日的なブラジルの片思い。そのうち日本は相手にされなくなるのでは」と危惧する。
 キューバではカクテルを飲みすぎ、浴槽で転んで前歯を折ったり、ドミニカでは「隣に座った美人に見とれている間に携帯電話をすられてしまった」アクシデントも。
 「ブラジルは人々が自然体。取材して楽しかった」と振り返り、「帰国後もブラジルコミュニティーの取材などをしたい。また何らかの形で戻って来れれば」と名残惜しそうに語った。
 後任には、政治部出身の浜砂雅一氏(41、山口)が11日1日付けで着任する。