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救済会・憩の園=ロータリーが救急車贈呈=日系企業、日本側も支援=吉岡会長「これで安心できる」

ニッケイ新聞 2009年12月10日付け

 ロータリークラブや日系企業が救済会の憩の園(グアルーリョス市、吉岡黎明会長)に救急車を寄贈するにあたり、5日午後憩の園で引渡し式が行われた。入居者や入居者家族、ボランティアなど約50人が出席した。吉岡会長は、「安心して緊急時に入居者をサンタクルス病院まで搬送することができる」と喜んだ。

 憩いの園の入居者数は現在88人。平均年齢は86歳で90歳以上が全入居者の3分の1を占め、緊急時の病院への搬送も増加傾向にある。
 以前使用されていた救急車は、20年前に購入されたもの。設備の不足や老朽化が目立ち、買い換えが検討されていた。
 同クラブのサンパウロ・アエロポルト支部の役員がその話を聞いたことから、3年前から運動を進め、今回の贈呈に繋がった。
 救急車の価格は、約12万レアル。国際ロータリークラブが約3割、同支部・ブラジル4420地区、日本のロータリークラブ(2650地区)がそれぞれ2割を出資、日系企業の高田建設会社、インテルニブラ、ニコンが残りを負担した。
 引渡し式で高田会長は、「助けを必要とする人々に手を差し伸べることが我々の使命」とあいさつ。
 同支部のあるグアルーリョス市の亀井エドゥアルド市議は、「憩の園の発展は、同市日系社会の名誉」と述べたうえで、ロータリークラブの支援を称えた。
 同園で働く小下アデライデシスターによれば、「古い救急車の担架は折り畳み式ではないため、乗降の際、患者自らが立ち上がらなければならなかった」と話しながら、「職員も皆喜んでいます」と笑顔を見せた。
 協力したロータリークラブ第4420地区のロベルト・ルイス・バーロス・フィーリョ代表は、「初めて(憩いの園を)訪れたが、非常に良い施設。今後も支援を続けていきたい」と語っていた。

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