日本語で友達と思い出作り=聖南西=林間学校で生徒団結=楽しい体験一杯の3日間

ニッケイ新聞 2010年1月7日付け

 聖南西教育研究会(岡田エリーナ会長)主催の第16回林間学校が12月14~16日、コロニア・ピニャール文化体育協会会館および青年図書館で行われた。同地区の日本語学校の12~15歳の生徒が参加。今年は10校から71人が集まり、16歳のアジュダンテと教師を含めると110人を超え、賑やかに3日間を過ごした。
 10時半より開校式を行い、広瀬義夫文協会長が挨拶をし、次いで岡田会長は「この3日間いっぱい日本語を使って、いっぱい友達を作って楽しんで、いい思い出を作って」とあいさつした。
 この行事の進行は日本語で行われ、大事なところにポ語の通訳をいれる形をとっていたが、多くの生徒達は日本語の指示の段階で反応し、日本語力の高さがうかがえた。
 班分け発表の後、班長や班の約束を決めた。今年すでに、デイキャンプや青空スポーツ教室など地区の交流行事で何度か顔を合わせている生徒も多かったが、班に分かれた直後はまだ緊張の様子が見られた。
 昼食後はスポーツ活動が行われた。鬼ごっこなど全体が打ち解ける競技や班対抗で様々なリレー形式の競技などで大いに盛り上がり、声援を送ったりして班が一体となり汗を流した。
 続いて、踊り「ボディ&ラップ」。これは2日目のキャンプ・ファイアーの前に行う出し物の練習になっており、生徒達は非常に速いテンポの踊りを覚えようと真剣に指導を受けていた。
 夜のプログラムは肝試し。スタート地点の会館からゴールの青年図書館宿舎までは街灯もなく、この日は新月のため真っ暗闇で、その中を1本の懐中電灯を手に参加生徒は3、4人組に分かれて悲鳴を上げながらもゴールを目指して歩いた。
 2日目の午前のプログラムは班対抗マレットゴルフ大会で、楽しそうにプレーをしていた。午後はオリエンテーリング。広大な敷地の中を走り回り、またジェスチャーゲームやお絵描き伝言ゲーム、長縄跳びなど様々なゲームに、班で行動する生徒達は力を合わせて取り組んだ。
 夕食は手巻きずしとハンバーグ。生徒それぞれが好きな具を入れてのりで包み、おいしそうに食べていた。この3日間の食事作りは班が交代で担当し、皿洗いなどの片付けも班が担当し生徒達自身で行った。
 夕食後は班の出し物「ボディ&ラップ」のコンクールで、どの班もこの時間まで空いている時間はすべてこの発表の練習に費やしてきた。
 教師から「上手な発表を見せてほしいわけではなく、練習や発表で班が一つにまとまり、そして踊りが不得意な子も含め皆が元気に楽しく踊っている姿を見たい」と説明されていた通り、生徒の顔には終始笑顔が溢れていた。そして最後に全員で一斉に踊り、強烈な一体感が生まれた。
 夜はキャンプ・ファイアー。フォークダンスを踊り、最後に今年の林間学校のテーマソング「キセキ」を歌った。そこには、町では見られない無数の輝きが広がる満面の星空の下、暗闇の中に激しく燃え立つ炎を囲み、肩を組みながら歌っている参加者の姿と心が浮かび上がっていた。
 3日目の朝は思い出の品作り。糸とアルファベット付きのビーズを用い、名前入りキーホルダーを作った。
 今年の活動の特徴として、色々な活動で点数をつけて3日間通した班対抗戦を行い、3日間の総合順位を決めることになっており、昼食前にその発表が行われた。昼食にはシュラスコと流しそうめんが用意され、初めて体験する流しそうめんに皆喜び、お代りを取りに行く生徒が後を絶たず、用意した7キロのそうめんがあっという間になくなった。
 使用した場所を全員で掃除を行ってから閉校式になり、田中得郎聖南西文化体育連盟教育部長から「この3日間でできた友達を大切にしてください」とあいさつ。最後にもう一度「ボディ&ラップ」を踊り、「キセキ」を歌って終了した。