ベロ・オリゾンテ=友好描く日本移民記念館=州の優良建築に選ばれる=百周年記念で昨年落成

ニッケイ新聞 2010年1月7日付け

 ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市のパンプーリャ・エコロジー公園に建設された「ベロ・オリゾンテ日本移民記念館」(Memorial da Imigracao Japonesa)が昨年12月、ブラジル建設院ミナス・ジェライス州支部(IAB―MG)が認定する「2009年度優良建築」に選ばれた。初年の管理団体でもあるミナス・ジェライス日伯文化協会(佐藤測会長、会員130家族)の藤池ゲンヨ副会長(66、二世)は、「(同公園は)太鼓やゲートボールなどで賑わう場所。日系イベントを行なう場所として活用できれば」と期待を込めた。

 デザインを手掛けたのは、建築家のグスターボ・ぺナ、マリーザ・マッシャードの両氏。日本移民百周年記念事業として建設され、昨年5月に除幕式が行われた。
 同認定制度は、1993年に開始され、都市に調和した建築物を全伯にある各支部が選ぶもの。
 昨年11月にスペイン・バルセロナ市であった「ワールド・アルキテクチャー・フェエスティヴァル2009」にもノミネートされている。
 同事業はウジミナス製鉄所が中心になって推進。ベロ・オリゾンテ日本国名誉総領事館、ミナス州政府、ベロ・オリゾンテ市役所、ミナス・ジェライス日伯文化協会、州内日系企業が支援した。
 総工費800万レアル、総面積は約400平米で同製鉄所が提供する400トンの鉄鋼を使用して作られた。
 日伯交流をテーマに、両国が太平洋上で手をつなぐイメージを表現。円形の建物(1階)が幅6メートルほどの濠(ほり)にまたがる形で建設されている。
 日本国旗を模して外壁は白、内壁は赤く塗られており、記念館への橋の入口には日本を象徴する桜、出口にはイペーが植えられた。
 除幕式は昨年5月12日に開催され、リナルド・カンポス・ソアーレス在ベロ・オリゾンテ日本国名誉総領事、福川正浩在リオデジャネイロ日本国総領事、マルシオ・ラセルダ・ベロ・オリゾンテ市長、アントニオ・アウグスト・アナスタシア副知事ら約450人が出席し完成を祝った。
 島内憲在ブラジル日本国大使は、「記念碑の設置は両国の交流の証」と述べ、マルシオ市長は「同市に新たなプレゼントが贈られた」と喜びを表した。
 同記念館は文協と同市が共同で管理し、2年目は、同市が独自で管理することになっている。
 館内にはソファが置かれているほか、何も設置される予定はなく、具体的な用途に関しては、現在、両者の間で検討が進められているようだ。