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長野県上田市=メタ・インターナショナル=ブラジル人児童がポ語を朗読=7人参加、全国大会も視野に

ニッケイ新聞 2010年1月20日付け

 【信濃毎日新聞】上田市で17日、ブラジル人児童によるポルトガル語での朗読コンテストがあった。
 ポルトガル語の出版物発行などを手掛ける「メタ・インターナショナル」(上田市古里)が、県内外のブラジル人児童の教育を支援しようと始めた「文化コミュニティー・プログラム」の一環。同市を中心に佐久市、北安曇郡池田町からも合わせ7人が出場した。
 課題文は、上田市在住の同社社長、ワンデルレイ・ダ・シルバさんの短編集「人生における教訓」の一部。それぞれ指定された個所を読んだ。「けんかを売られても買わずに話し合いで解決しよう」といった内容の文を真剣な表情で朗読。シルバさんら3人が、発音の正確さや読む速度などを審査した。
 優勝は、池田町池田小3年のカルラ・ユミ・オカダさん(9)。日常生活では、主に学校で日本語、家庭でポルトガル語を使うといい「こんがらかっちゃうこともある。難しいけれど両方ちゃんと勉強して、将来はホテルマンになりたいです」と話していた。
 プログラムは、景気悪化で親が職を失い、学費のかかるブラジル人学校に通えない子どもたちの実情を踏まえて発案。日本語が分からず日本の学校にも行かなかったり、ポルトガル語を十分理解できないまま帰国して苦労したりしているという。読書を通じてポルトガル語を意欲的に学べるよう朗読コンテストをメーンにした。
 今後、2月14日に駒ケ根市で開くほか、群馬県、愛知県などでも開き、全国大会も計画している。

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