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生まれ故郷が栄誉称える=パカエンブー=退役の小松パウロ中将=町挙げて郷土の誇り歓迎

ニッケイ新聞 2010年2月10日付け

 小松パウロ・カズノリ陸軍中将は退役を前にした昨年12月、サンパウロ州パカエンブー市から招待を受け、2日にわたって同地を訪問した。グルッポ校卒業まで同地ですごした小松中将。地元では町を挙げて歓迎の集いを開き、〃郷土の誇り〃を顕彰した。
 日系人としては陸軍最高位まで昇進した小松中将。両親の小松タケオ・トワ夫妻は移住後、サンパウロ州アララクアラ近郊のドウラードを経て同地へ入植した。中将は47年8月15日に同地で生まれ、4年間のグルッポ校を卒業後、南マット・グロッソ州トレス・ラゴアスで中・高校を終えてリオ州レゼンデの陸軍士官学校へ入った。
 今回の生まれ故郷再訪は、同市のトダ・シデト市長とブラジル日系協会の京野吉男会長(予備陸軍大佐)、遠藤マリオ副会長(予備空軍大佐)が知り合いだったことがきっかけでトダ市長から中将に招待状が渡され、実現した。
 小松中将とマリア・ペドローザ夫人、京野会長らは12月11日に同地到着後、中将が生まれた場所で、町から約5キロ離れたファゼンダ・ボア・ソルテや、通ったグルッポなどを訪問。「町が大きくなって驚いた様子でした」(京野会長)という。
 翌12日午前11時から地元文協(パカエンブー文化娯楽体育協会、カワノ・ロベルト会長)で市・文協などによる歓迎式典が催された。
 会場には、トダ市長、市議会議長、市議、陸軍、地元・近隣文協関係者など約300人が参集。同地域に住む中将の家族・親戚も多数集まったという。
 陸軍入隊後は工兵隊技師としてノルデステを中心に任務に就き、同地方で多くの道路舗装や、飛行場建設などにあたった小松中将。サンフランシスコ河流域開発では陸軍建設部門の副局長としてダム建設を指揮した。
 中将は今回の訪問を記念して、式典会場で自身の軍での仕事をテーマに一時間半の講演を行った。「そんなにたくさんの仕事をしていたのかと皆驚き、誇りに感じて喜んでいました」と京野会長は振り返る。
 式典では、市議会から中将に対し名誉市民章、ドラセーナ市から名誉訪問者章の記念プレートを贈呈。昼食後は故郷再訪を記念して、同文協の敷地内で日系協会が寄贈した沖縄桜の苗2本を植樹し、サンパウロ市へと向かった。
 このたびの訪問にあたって尽力した京野会長は、「家族もたくさん来てくれ喜んでいました」と中将の様子を振り返り、「国、陸軍のために働いてきた人。二世として、日系人として誇りに感じる。日系コロニアでももっと顕彰してほしい」と話した。

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