東西南北
ニッケイ新聞 2010年3月11日付け
8日に大雨に見舞われたミナス州ベロ・オリゾンテで9日未明、陣痛が始まったため病院に向かう途中、洪水で動けなくなった車中で、夫の助けを借りた女性が3・2キロ、48センチの女児出産。出産後間もなく消防の車が通りかかり、胎盤の処置などを施した上、病院に運んでくれたという。多くの人には破壊や恐怖の大雨の中、おたおたしながら介護の夫は、感激の一瞬と回顧。生涯忘れ難い誕生劇だろう。
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リオ市のカーニバルで観客を魅了したウニードス・ダ・チジュッカの早変わりが、各種イベントに引っ張りだこ。パレードの先陣を切ったコミッソン・デ・フレンチが見せた手品顔負けの早変わりをもう一度との依頼は国外からも来ている。布の筒や切り刻んだ紙等で観客の目をそらし、短時間で衣装を変える手際は鮮やかで、カーニバルでの場面を知っていても、目前での実演で改めて感嘆の声を上げる人も。
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南伯の海岸部に強い勢力を持った低気圧が接近している。日本では台風に当たる発達した熱帯低気圧で、南大河州やサンタカタリーナ州沖では、高さ4メートルの波を観測。発達した熱帯低気圧の接近は珍しく、温帯性低気圧には慣れた天気予報官も戸惑いの色を隠せないが、時速80キロの強風と強い雨をもたらすと見られるこの低気圧。さらに発達する可能性もある様だ。
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絵葉書にもなっているリオ市南部の湖で2月に大量の魚の死骸が浮かんだと思ったら、今度は、リオ市北部の掘割で魚の死骸。南部では、藻の大量発生による酸欠が原因と見られる死骸80トン超が回収されたが、今回は、小さくて売り物にならない魚を漁師が放棄との見方も出ているとか。