第54回パウリスタ・スポーツ賞=貢献者ら17人を表彰=カサビサンパウロ市長にも特別賞=今年は山登り部門も=350人が喜び分かつ

ニッケイ新聞 2010年4月1日付け

 ニッケイ新聞(高木ラウル社長)主催の「第54回パウリスタ・スポーツ賞贈呈式」が、30日午後7時半からSESCヴィラ・マリアーナで開催され約350人の出席者が見守るなか、17部門で選手や監督など17人が受賞した。サンパウロ市による百周年事業「日伯総合スポーツ文化センター」(ボン・レチーロ区)の整備事業を評価しジルベルト・カサビサンパウロ市長、山登りを27年続けてきた森脇礼之さんに特別賞が贈られた。飯星ワルテル連邦下議、羽藤ジョージサンパウロ市議、在聖総領事館の後藤猛領事、木多喜八郎文協会長、与儀昭雄県連会長、森口イナシオ援協会長、各スポーツ団体代表者らが出席した。

 冒頭、高木社長は受賞者の貢献を称え、「これからも日系スポーツを盛り上げていってほしい」とあいさつ。
 合気道、陸上競技、野球、ゲートボール、柔道、空手、剣道、古武道、マレット・ゴルフ、水泳、パーク・ゴルフ、相撲、ソフトボール、卓球、テニス、射撃、ゴルフ部門の計17部門で、各スポーツ団体から推薦された17人に賞が授与された。
 ニッポン・カントリークラブ・テニス部で指導にあたり今回テニス部門で受賞した佐々木ヴァルテルさんが、「日系スポーツは常に前進している。今後も、その向上に務めていきたい」と受賞者代表で謝辞を述べた。
 カサビサンパウロ市長への特別賞は飯星下議が代理で受け取り、「非日系の競技者が増えても日本人の精神が受継がれるスポーツは、我々の将来にとって大切」と話した。
 特別賞を受け取った森脇さん(75、島根)はだるま塾塾長。1983年より同塾で山登りの会を始め、毎年約70人を率いてピッコ・デ・ジャラグアを登って来た。今年5月の登山で27回目を迎える。
 「体力作りや『歩けば楽しい』をモットーに始めた。歩きながら自身の健康を診断することもできます」と話す森脇さん、「まさか、こんな賞をもらえるなんて意識は毛頭もなかった」と喜ぶ。
 陸上競技部門の受賞者は、神田ロベルトさん(50、二世)。現役時代は100メートル走、幅跳びの選手、引退後は約15年間ミランドポリスのノロエステチームのコーチを務め各大会で好成績を残してきた。
 神田さんは、「皆さんに心から感謝している。これから先も責任を果していかなければ」と熱いまなざしを見せた。
 水泳部門は、沖本ポリアナ選手も所属するブラジル水泳連盟のミゲル・カルロス・カノニ会長(67)。「日系コロニアから表彰を受けるのは初めて。大変光栄」と笑顔。
 ミゲル会長を推薦したのは、同連盟と協同で水泳の日系全伯大会を開催するピラチニンガ文協。同文協の重田エルゾ会長は、「同連盟は日系選手をよく育ててくれている。現在約50人の日系選手が所属する」とその理由を話していた。