伯日交流協会=新研修生11人が到着=「日伯の絆になりたい」

ニッケイ新聞 2010年4月15日付け

 ブラジル日本交流協会(二宮正人理事長)の2010年度研修生11人が10日、1年間の期待を胸に来伯した。サンパウロ州で研修する4人が村上裕美子事務局長と一緒に日系社会へあいさつを行った。
 メキシコに移民した縁戚を持つという田中智子さん(36、福岡)は看護士の仕事を辞めて最年長で参加。「捨ててきたものも多い」と冗談めかすが、「私が日伯の絆になりたい」と決意は熱い。三世の縁戚がルーツを辿って訪日した際、「日本を大事にしている気持ちが嬉しくて、私も彼らの国を見てみたくなったんです」。カンポス・ド・ジョルドン市のカンポスさくらホームで介護福祉士として働く。
 小笠原夏織さん(28、宮城)と高山佳美さん(28、北海道)は、大和商事、ホス建設で1年間挑戦する。サッカー好きの小笠原さんは、地元チームのブラジル人選手がきっかけだ。高山さんは、ポンペイアの西村農学校で10年前に研修したOBの兄に「『行け行け』と事あるごとに勧められていた」と笑い、「自分にとって必要な経験だと思う。とにかく楽しみたい」と意気込む。
 関西大学商学部を休学して参加した宇野秀郎さん(22、大阪)は、将来人に伝える仕事がしたいとニッケイ新聞での記者研修を希望。「日系人がどんな想いで日本文化や習慣を守っているのか、日系社会にどっぷり浸って知りたい」と話し、「この経験を通じて、社会に貢献できる人間になりたい」と志は高い。
 OGである村上事務局長は、「1年でできることは限られている。だからこそ、恥ずかしがったり躊躇したりせず、何でもチャレンジして欲しい」とエールを送った。