トメアスー=故平賀練吉夫妻の写真を寄贈=佐々木美智子氏が提供=組合OB会から文協、農協へ=情報提供も呼びかけ

ニッケイ新聞 2010年4月16日付け

 【パラー州ベレン発】トメアスー総合農業協同組合職員OB会代表は3月13日午前、トメアスー文協・トメアスー農協本部を訪ずれ、故平賀練吉夫妻の遺徳をしのんで、写真家佐々木美智子氏提供の遺影拡大版を贈呈した。

 故平賀練吉氏は、大阪YMCA海外協会主催のアマゾン開発青年団の副団長として団員47名と共に、1931年モンテ・アレグレ植民地に入植。タバコ・綿・麻などの栽培に従事した。南米拓植株式会社(南拓)は1935年同植民地を閉鎖したが、副団長であった平賀氏は同植民地に残った。1939年コンデ・コマ(前田光世)の要請を受け、農業技師としてトメアスー植民地に赴任した。
 爾来、アマゾン日本人移民発祥の地トメアスー植民地で、農業は勿論、精神面でも植民地の指導者として、清貧を重んじながら植民地の指導者や青少年の育成に貢献した。氏の薫陶は今もなおトメアスー移住地の指導者たちに受け継がれている。
 こうした平賀氏の活躍を後世に残そうと、新宿の伝説的なバーの元ママで根室市出身の写真家佐々木美智子さん=東京・伊豆大島在住が、約30年前、存命中のご夫妻の写真を撮影していた。昨年開かれたアマゾン日本人移民80周年祭に慶祝使節団の一員としてベレン訪問の折、件の写真をCAMTA職員OB会に提供してくれた。
 提供を受けた職員OB会は、提供された写真を拡大し、トメアスー文化協会とトメアスー産業組合にこの度寄贈した。
 職員OB会は、氏の功績を編纂・記録して後世に残したいと企画しているが、故平賀錬吉氏についての文献が少ないため、氏に関する情報提供を呼びかけている。(下小薗昭仁パラー通信員)