コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年4月16日付け

 サンパウロ人文科学研究所の奨学制度が順調に進んでいるようだ。
 長年、〃医者のいない病院〃と、その研究者不在を揶揄され、自嘲もしてきた。
 ようやく昨年11月から、その基礎作りともいえる同制度を開 始。4人の学生が月に1度、事務所で懇談、担当教官から指導を受けている。
 言葉の問題で日本語の文献はあたれない上、「英・ポ語での文献も少ないので苦労する」とも漏らす。
 開始から半年だからか、本格的に調査・研究が進んでいるようではなかったが、日系人の手による日系研究が始まったことを頼もしく思った。
 今年度は、新たに2人の奨学生を受け入れ予定。篤志家、企業の協力で奨学が支給される。
 遅きに失した感はあるがコロニアがやらなければならなかった仕事。温かい目で見守っていきたいものだ。(剛)