鳩山首相が群馬県訪問=大泉のスーパー視察も=外国人の現状改善に努力

ニッケイ新聞 2010年4月27日付け

 鳩山由紀夫首相は24日、視察のため群馬県を訪れた。地元農協や、在日ブラジル人が多く住む大泉町のブラジル人経営スーパーなども訪れ、町長、経営者などと意見交換。首相は視察後、教育や医療など在日外国人が直面する問題に対し、政府として対策を検討していく考えを示した。

 共同通信などの報道によれば、首相は24日に群馬県を訪問。特産のこんにゃく畑や世界遺産の登録を目指している旧富岡製糸場などを視察した。甘楽長の農業協同組合役員との意見交換では国の食料自給率に関し、「5割、6割と徐々に上げることが大事だ。長期目標としては国で自給できるところまで農業を導く」と述べ、大幅な向上を目指す考えを示した。
 首相はその後、「多文化共生」施策推進の観点から、日系ブラジル人など多くの外国人が住む同県大泉町でブラジル人が店長を務めるスーパーを視察、町長らと意見交換した。
 NHKによれば、首相はブラジルの食品などが並んだ店内を視察した後、経営者らと意見交換。教育や社会保障、医療や年金など在日外国人が直面する問題に触れ、問題の解決に向け努力していく意向を表明した。さらに視察後、記者団に対し、「日系ブラジル人がたくさん住んでいる地域の方の声を聞いて、実情を勉強させていただいた。将来的に、この国をもっと開かれた国にしていかなければならず、政府が何をすべきか考えさせていただきたい」と述べたという。