東西南北

ニッケイ新聞 2010年4月29日付け

 26日にパラグアイの上院議員が襲われて負傷した事件で、同国警察がブラジル人2人を逮捕した。南マット・グロッソ州にほど近い国境のマリペドロ・フアン・カバレロ市で起きた事件では、上議が負傷した他、ボディーガード2人が死亡。逮捕されたブラジル人はサンパウロ市在住者で、ブラジル警察は、背後関係を明らかにするためサンパウロ市内のファヴェーラを捜査中だ。首都第1コマンド(PCC)の差し金との見方の他、パラグアイ人民軍やコロンビア革命軍の関係を疑う声もあり、真相はまだ謎の中。
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 強盗、殺人などで枕を高くして寝られないのは生きている人達だけかと思っていたら、サンパウロ市東部のヴィラ・アウピーナ墓地では、27日未明に3人組の強盗侵入。霊柩車が門から出るのを見計らって進入した賊は、職員3人を制圧して金庫の中の現金を盗んだ後、職員らを事務所の一室に閉じ込めて逃走した。外にいた仲間とはラジオを使って連絡を取り合っていたという3人組の到来に、火葬場で荼毘に付されていた人や草葉の陰で休んでいた人もびっくりだったのでは?
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 26日に米国で発表された2000~05年の森林伐採量調査で、ブラジルは世界一の乱伐国の不名誉なタイトルを取得。00年~05年の世界の森林伐採量は101万1千平方キロで、地球上の森林は、毎年0・6%ずつ削減している計算になるという。国土内の森林面積1位はロシアで512万平方キロ、ブラジルは460万平方キロで2位だが、伐採や火災などによる森林消失量は森林面積の3・6%にあたる16万5千平方キロでトップだった。森林消失量2位はカナダの16万平方キロ。同国の森林面積300万平方キロの5・2%に当たるから、消失比率ではカナダの方が上だ。