伯ビジネスのリスクとは=東京海上日動がガイドブック

ニッケイ新聞 2010年4月29日付け

 ブラジルビジネスを始める前に―。東京海上日動火災保険株式会社がブラジルビジネスのリスクマネジメントガイドブックを作成するにあたり、11日にグループ会社の東京海上日動リスクコンサルティングから研究員の小林綾子さんと伊藤裕美子さんが来伯、1週間の現地調査にあたった。
 各国別のリスクマネジメントガイドブックは中国、インド、ロシア、ベトナムに続く5カ国目の作成。ブラジル進出を希望する日本企業向けに政治、経済、法律からインフラ設備、自然災害、社会問題までを解説し、特徴的なリスクと対策を取り上げる。
 二人は自動車、食品、銀行、運送業など12社の日系企業を訪ね、伯ビジネスでの難点や問題点の聞き込み調査を実施。ガイドブックには、その具体的な事例や体験談が盛り込まれる予定だ。
 小林さんと伊藤さんは、「外資規制の緩和や消費の伸びが興味を引き付けるブラジルだが、税制や連邦政府のあり方が分からないという企業も多い」と説明し、「社会制度などに触れながら、ブラジルビジネスのリスクとその改善策を保険会社の視点から分かり易く伝えたい」と意気込む。
 ブラジル東京海上の古沢邦浩部長も、「すでにブラジルに進出している日本企業にとっても参考になるはず」と期待を込めた。
 ガイドブックは、8月の完成見込み。問い合わせ・詳細は、ブラジル東京海上(電話=11・3054・7113)まで。