東西南北

ニッケイ新聞 2010年5月4日付け

 4月の大雨の直後、リオのキリスト像に落書きをした2人組が、コパカバーナ~ボタフォゴ間のトンネルで落書きを消す作業を行っている写真がネットや新聞で流れた。コンクリートや石の壁への落書きの場合、強酸性の薬品を使わなければならない事も多いが、化学の実験などで使う防護用メガネにゴム手袋、エプロンといったいでたちで作業する2人の後方には、トンネルの上で見ている人達の姿が豆粒の様に写っている。ある意味で平和な光景…。
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 6カ月~2歳児向けの新型インフルエンザ予防接種は、第1回目の接種から30日後に再接種が必要なので、2度目の接種を忘れないようにと保健省が呼びかけている。小さい子供の場合、1度の接種で強い反応が起きる事を避けるため、半量のワクチンで接種を行っているためだ。対象外の年齢の子供が新型インフルに感染し、学校が全校生徒への接種許可を求めた例や、慢性疾患患者ではないのに慢性疾患の持ち主だから予防接種を受けたいと申し出た人がいるなど、新型インフル対策への不安は残る。
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 3日にパラグアイのフェルナンド・ルーゴ大統領と会ったルーラ大統領が、暴行事件などの発生を防ぐための国境付近の警備強化にブラジルは協力を惜しまないと約束。4月26日に起きたパラグアイの上院議員襲撃事件では4人のブラジル人も逮捕されており、両国国境付近の安全確保はブラジルにとっても関心事。国内での捜査によれば、パラグアイ人民軍(EPP)は総勢100人程度の小規模ゲリラで、上議襲撃事件も、麻薬組織らによるルーゴ政権揺さぶりのためだという。ブラジル外務省筋には、国境問題では、EPPよりコロンビア革命前線(Farc)の方が気がかりだとか。