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半世紀迎えるローランジャ佛心寺=今年10月に記念法要=母県から訪問団も来伯=宮城県人会も全面協力

ニッケイ新聞 2010年5月8日付け

 パラナ州ローランジャ市にある曹洞宗洞光山佛心寺が今年10月、建立からちょうど半世紀を迎えるにあたり、母県から訪問団が来伯する。同月10日に予定される記念法要では、1958年に海外開教使として来伯、同寺建立に尽力した吉田道彦氏(1930~84、宮城)の遺徳を偲ぶ。仙台市の洞林寺住職である吉田俊英さんが企画した。佛心寺(サンパウロ市)、禅源寺(モジ市)、ブラジル宮城県人会、ブラジル宮城友好協会の協賛。吉田さんは、「道彦和尚の業績を記録し、慕って下さるローランジャ、ブラジルの方々とのご縁を大事にするよう努めたい」と話している。

 吉田道彦氏は1930年、仙台・洞林寺に生まれた。駒沢大学卒業後、海外開教使として58年にサンパウロの曹洞宗南米別院総監部に赴任、60年にローランジャ市に移った。
 パラナ州内の日系移住地を巡教のかたわら、洞光山佛心寺建立に奮闘、同年10月10日に落慶式典を行う。
 児童教育の経験があったことから、幼稚園や日曜学校を経営。63年に結婚した妻のふく子さん(宮城県)も、その献身的な働きぶりで、子供を始めとした現地コロニアから厚い信頼を得た。
 二人の子供に恵まれた夫妻は、70年の建立10周年記念法要後に帰国。吉田氏は洞林寺の住職を務めるが84年、55歳で逝去する。
 しかし、ふく子夫人は現地の人との連絡を絶やさず、40、45周年にも来伯、旧交を温めている。宮城県海外移住家族会の副会長も務める。
 洞林寺護持会会報『錦秋』(平成十八年新年号)には、45周年式典に出席したさいの思いを「ローランジャ佛心寺を守ってくださっている皆さんへ、感謝の念を新たにしました」と寄せている。
 吉田氏の12年ばかりの布教活動は、今も地元の記憶に残り、08年の100周年では同市の公園に吉田氏の名前が付けられ、記念碑の除幕式も行われている。
 宮城県人会は、記念式典に出席するためバスを用意している。中沢宏一会長は「吉田氏、同寺にゆかりの方は、是非ご参加ください」と呼びかけている。
 詳しくは同県人会(11・3209・3265)まで。

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