百年史農業編=田中規子元調整役に=2万4千レの返還求める

ニッケイ新聞 2010年5月14日付け

 【既報関連】業務怠慢遅延を理由に、百年史農業編の調整役を解雇された田中規子氏に対し、同史編纂委員会(森幸一委員長)は、調査・原稿料として支払い済みの5万レアルのうち、2万3千651レアルの返還を要求する文書を7日付けで送った。
 田中氏が取りまとめていた各項執筆担当者による原稿も12日現在、3割近くが未提出(締め切りは2月26日)であるため、これも早急にデータ並びに紙焼き原稿を一組にして届けることも言い渡している。
 なお、同氏が同委員会に提出した執筆者の連絡先が不正確であるため、正確な一覧表を届けることも明記された。
 文書には、「この清算業務を期限内に終了できない場合には、残念ながら別途の手段を取らせていただきます」と法的措置も辞さない構えを見せている。
 なお、同氏担当分原稿(半分のみ提出)は、使用しないことが12日の編纂委員会で決定されている。
 森委員長は、締め切りを延ばしたことや、解任の決定が遅れたことを、「優柔不断だった」と反省しながらも、「可及的速やかに編纂事業を進めていく」と話している。
 田中氏の言を左右にする無責任な態度に振り回されてきた同委員会だが今回、完全に関係を切ることで作業を加速化させたい考えだ。
 農業編の出版は2011年下半に延期されている。