大耳小耳

ニッケイ新聞 2010年5月14日付け

 百年史委員会(森幸一委員長)は、農業編の業務を遅れに遅れさせた規子元調整役に、2万3千651レアルの返還を請求している。基本的には、未提出の原稿料分といったところだろうが、これはおかしい。怠慢、能力不足により業務を停滞させ、資金協力している国際協力機構(JICA)に2度もの「遅延願い」を出す羽目に陥らせているにも関わらず、である。もちろん謝罪の言葉は全くなく、委員会の連絡にも応じないなど、最低のモラルも持ち合わせていない。一般的感覚から言えば、違約金を含む賠償請求をするのが普通だろう。聞けば、担当執筆者のデータ原稿提出も拒んでいるよう。日本から来る自称を含む学者・研究者に、資料持ち出しなど、いいようにされてしまうのは、コロニアの甘さにも責任がある。厳しい対応を望みたい。
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 グローボTV局の人気番組「ファンタスチコ」ではワシントンのポトマック河畔にある桜並木の話題に続き、レジナ・カゼがわざわざ訪日して東京の花見事情をレポートするなど、ブラジルマスコミではちょっとした「花見ブーム」となっている。エスタード紙も13日付けで、桜イペー連盟からサンパウロ市カルモ公園に800本の割り桜の苗が寄付される件が報じられ、例年8月に開催される桜祭りの時には計2300本の桜となるという。現在「日本以外の最大の桜公園」は米国にあるが、これに負けじと同連盟はがんばっている。
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 イタリア移民は本来豚肉で作るモルタデーラを牛肉にすることにより、本国輸出はできないが、当地では普及した。おもえば、今ではどこのバールにもあるアラブ系料理のエスフィーハは、本国では子羊肉(ラム)を使っていたが、そのままでは癖があるためにブラジル人に合わせて牛肉にして普及したとの話を聞いた。もちろん、当地の日本食が「ブラジル風」になっているのはご存知の通り。