東西南北

ニッケイ新聞 2010年5月26日付け

 24日付フォーリャ紙に、国民所得向上や失業率低下などでファヴェーラに進出する銀行増加の記事。個々の住民の経済力は小さくとも、顧客となる可能性のある人の数はそれなりに多い事の反映だ。05年から09年にD、Eクラスは9300万人から6700万人に減った一方、Cクラスが6300万人から9300万人、A、Bクラスも2650万人から3020万人に増えたブラジル。従来は極貧層の集まりと見られていたファヴァーラにもCクラスの人出現などはルーラ政権が手柄と誇る数字の一つだ。
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 予定より2カ月遅れて開業となったサンパウロ市の地下鉄4号線は、25日も予定されていた正午から遅れる事1時間半で開場。乗客第1号となるべく2時間も待って乗り込んだ女性は、静かで快適な車両に満足する一方、扉が開いている時間が短いと苦言。ファリア・リーマから来た車両が満杯だったため、降車を待って乗ろうとした人達が乗り込まないうちに扉が閉じたといったトラブルも起きたようだが、次の車両では、扉が開いている時間を調節して問題解消。無料でお試し乗車できる期間中は、2号線のコンソラソン駅からの乗り換えは出来るが、2号線への乗り換えは不可。運行時間は9時~15時で、土、日は休業となる。
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 ブラジルでの5歳以下の子供の死亡率が20年間で61・7%低下したと25日付伯字紙。1990年には出産1000件につき52人死亡していたのが19・8人に減ったという。世界ランキングでは9つ改善したが、未だ90位と低迷状態だ。改善が遅れているのは北伯と北東伯で、同地域の256市に死亡児童の50%が集中。医療スタッフの増強の他、母乳銀行や集中治療室増設なども待たれている。