今年も盛況コロニア芸能祭=文協=2日で131団体が競演=「若い世代に伝えたい」

ニッケイ新聞 2010年7月2日付け

 ブラジル日本移民102周年記念「第45回コロニア芸能祭」(頃末アンドレ実行委員長)が文協大講堂で6月26、27両日開催された。2日間で131団体が出演し、今年もコロニアの伝統行事を盛り上げ。2日目は会場が満員になる賑わいを見せた。
 26日は午前9時ごろ頃末実行委員長が開会の辞を述べ伯謡会の謡曲が連日の式典の口火を切った。27日は白寿者表彰に続き、木多喜八郎文協会長の開会の辞、来賓として訪れた大部一秋在サンパウロ総領事、清水オリジオ・レアル銀行取締役も祝辞を述べ、午前11時半ごろ予定より少し遅れて開催された。
 司会藤瀬圭子さんの名調子でプログラムが進み、琉球舞踊、歌謡舞踊、洋舞、詩吟、和太鼓、YOSAKOIソーランなどこの日は59団体が日頃の練習の成果を披露した。
 「二日間とも来ています。中平マリコさんの綺麗な声が大好き。丹下セツ子さんも素晴らしかった」と話すのは立石レイコさん(70、熊本県)。舞踊や演劇が好きで毎年友達を誘って観に来ているそうだ。
 鳴海吉雄さん(82、北海道)の毎年一番の楽しみは14年舞踊を続ける夫人が出場する花柳流金龍会の舞台。しかし鳴海さんの夫人は今年の芸能祭に向けた猛練習中に体調を崩してしまい、出場を断念。この日は裏方として着付けなどを手伝っていた。「妻が出ないのは残念だが今年もゆっくり楽しみます」と話した。
 そんな鳴海さんが今年の楽しみだと話した、ブラジル神楽保存会の「八岐大蛇」は19人の演者で作り上げられ、3匹の大蛇が壇上で踊りまわる迫力の舞台に、観客は釘付けになった。
 今年のトリを飾ったのは花柳流金龍会の演目「桜の国のたのしい踊り」。26人の名取、生徒らが色鮮やかな衣装、扇子を使い、華やかな長唄小曲、歌謡舞踊、民舞を披露し観客は大きな拍手を送った。
 金龍会の公演が終わり、代表の花柳金龍さんへ楠本留巳副実行委員長から花束が贈られ、古参の名取、龍香さんにも金龍さんから花束が手渡された。
 記念撮影後、楠本副委員長が「皆様の芸能祭への深い愛情と共に、これからも日本固有の文化の伝達に取り組んで行きます」と来場者への感謝と閉会の言葉を述べて、閉幕した。
 ニッケイ新聞のインタビューに対し金龍さんは「今日は皆良く踊れていました。これからも、今までのように文化の交流をもっと若い世代に伝えて行きたい」と満足そうな表情で語った。