東西南北

ニッケイ新聞 2010年7月13日付け

 南アフリカでのW杯はスペインの初優勝で終ったが、11日の閉会式と決勝戦に出席せずに帰国し、国際サッカー連盟関係者から苦情も出たルーラ大統領はブラジルを破ったオランダが優勝杯を手にするのは見たくないとも漏らしていたらしい。決勝戦前の式典にはマンデラ元大統領が出席して笑顔を見せたが、この日はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年にボスニア東部スレブレニツァで数千人の大虐殺発生の日。15年後も遺体捜索や身元鑑定が行われている同事件を覚え、式典で一分間黙祷をとの要請も出されたが断られたという。軍政下のブラジルで起きたアラグアイアのゲリラ虐殺での遺体捜索も難航しているが…。
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 エリーザ・S・サムジオさん失踪事件では、フラメンゴのキーパー、ブルーノや元警官のマルコス・A・ドス・サントスといった容疑者の取調べが続いているが、主要容疑者が黙秘権を行使し、捜査難航の気配。ミナス州市警ではブルーノのいとこ2人の供述にある食い違いを明らかにするため、17歳のJのミナス移送も要請した。週末は中断された遺体の捜索は週明け後に再開。同事件に関しては、遺体が発見されなければ殺人事件立証は不可とする声と科学的な物証があれば可能との声がある様だ。孫の養育権を得たエリーザさんの母親には、幼いエリーザさんを置いて離婚した罪滅ぼしとの思いもあるが、成長後に父親が母親を殺したと聞かされる可能性のある男児哀れ。
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 パラナ州サンタテレジーニャ・デ・イタイプで8日、廃材でカモフラージュしたトラックの荷台から今年上半期の押収量23トンにほぼ匹敵する21・5トンの大麻押収の報道。昨年の押収量22・4トンなどと比べ大麻流入加速化か?