静岡県=雇用融資制度を悪用=ブラジル人ら再逮捕

ニッケイ新聞 2010年7月13日付け

 【静岡新聞】静岡県内のブラジル人グループが派遣切りなどで住居を失った人を支援する国の「就職安定資金融資制度」を悪用し、融資金をだまし取ったとされる事件で、焼津署と県警国際捜査課は8日、詐欺の疑いでブラジル国籍、袋井市久能、自営業の男(39)=詐欺罪で起訴=を再逮捕し、同容疑でいずれもブラジル国籍の焼津市上泉、無職の男(29)、派遣社員の男(22)の両容疑者を逮捕した。同事件での逮捕者は計8人となった。
 3人の逮捕容疑は、無職の男ら2人は自営業の男と共謀し、虚偽の内容を記した離職証明書を申請してハローワークから融資資格の証明を受けた上、昨年夏から今年1月までの間に、静岡市内の金融機関からそれぞれ約100万円をだまし取った疑い。
 同署などによると、自営業の男は通訳役を務め、同容疑で逮捕・起訴されたブラジル人容疑者らの虚偽申請を補助していたとみられる。これまでに分かっている被害総額は少なくとも約400万円に上る。
 同制度は失業対策で国が2008年12月から始めた。同署などは、自営業の男らが犯行に至った経緯を調べている。