日本人の心の歌=65年目の終戦記念日に=コロニア歌手が勢ぞろい

ニッケイ新聞 2010年8月12日付け

 昭和の名曲の祭典「日本人の心の歌チャリティー・ショー」(同実行委員会、ニッケイ新聞社共催)が15日午前10時からブラジル日本文化福祉協会大講堂(R. Sao Joaquim, 381)で開催される。毎年1200人収容可能な同講堂が満員となる同チャリティー・ショー。今年は日本の終戦記念日に「終戦65年記念日本人の心の歌」をテーマに開催する。
 同会実行委員会から道みどりさん、司会を務める井川ルシアさん、楽団「フレンズ」代表・蛯原忠男さん、歌手の西谷エジナさん、安西アメリアさんが来社した。
 開催の前にニッケイ新聞の読者からのリクエストを受け付け、多数の応募の中、3カ月間の選考の末選出された。1位「荒城の月」、2位「影を慕いて」、3位「長崎の鐘」など。
 10回目となる今回も「コロニア随一の歌手が勢ぞろい」と道さん。今年も常連から本年度開催の各コンテストで優秀な成績をのこした歌手まで、コロニア歌手55人が戦前、戦後の名曲を熱唱する。司会は井川さんと道康二さん。
 08年のNHKラテンのど自慢大会優勝の大橋さゆりさんは「天城越え」(昭和61年)、今月1日の全伯歌謡唱歌コンクール優勝者・棚原(たなはら)邦広さんが「異国の丘」(昭和22年)を披露。
 7月の全カラ大会で優勝、今回初出場の赤嶺マルセイロさんは「柔」(昭和39年)を歌い、日本舞踊と共演し華やかな舞台を演出する。
 お昼時には日本舞踊の花柳寿美富浩門弟、輝千代会、太鼓集団・喜楽などの公演も行われる。
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 今回歌われる55曲は全て楽団「フレンズ」の生演奏。さらに今年はブラジルのトランペットの第一人者ジル・ワルミール氏の友情出演も実現した。
 蛯原代表によれば、同氏がコロニア主催の催しに出演するのは初めて。ロベルト・カルロスのオーケストラで活躍する同氏について「ブラジル一番のトランペッター。彼に引っ張られ他の楽団員もいい音を出す。生の演奏を楽しみにして下さい」と興奮を抑えられない様子。
 「まっかな太陽」(昭和42年)を歌う西谷さんは、同ショーでは「皆が一生懸命に聞いてくれ、心が通じ合う気持がする」と思い入れも深い。
 安西さんは「星の流れに」(昭和22年)を歌う。「思い出深い曲を歌うことは責任を感じる。しっかり歌いたい」と意気込みを話した。
 協力券は1枚20レアルで、テレビ、ラジオなど多数の賞品が当たる抽選券ともなる。ブラジル日本文化福祉協会、老人クラブ連合会、明石屋宝石店、太陽堂、金澤、一番、レストラントメアスー、ニッケイ新聞社等で取り扱っている。
 ショーの売上げから、ブラジル日本文化福祉協会に寄付される。