東西南北

ニッケイ新聞 2010年8月20日付け

 寒波が続き、サンパウロ市でも朝夕は8度前後まで気温が下がるが、こんな時気になるのは路上生活者の事。リベルダーデ近辺でも、セーの大聖堂付近で路上生活者を排除している事を受け、道路で寝ている人を見かける機会が増えている中、サンパウロ市市役所が、路上生活者向け施設に100人位の余力ありと発表。10年間で路上生活者が57%増えたサンパウロ市では、施設で眠るのは51・8%の7079人のみ。残りの6587人は夜露に濡れる生活だという。前回強い寒波が来た時には、南部を中心に牛などの家畜死亡の報道も流れたが、夜露を凌ぐ術もなく凍え死ぬ人がいるかもと思うと…。
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 南アフリカでのW杯というと試合の度に散々聞いた〃ヴヴゼーラ〃の音が思い出されるが、19日に出版されたオックスフォードの辞書(第3版)の語彙の一つに〃ヴヴゼーラ〃も入ったと聞き、びっくり。今回新たに収録された語彙は単語や熟語をあわせて2千。語学では名門として知られ、由緒正しく信頼できるというイメージと直結するオックスフォードの辞書にも掲載された〃ヴヴゼーラ〃。ブラジルでのもともとの呼び名は何だったっけ? 
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 給与調整の遅れを不満として下院に侵入した警官や消防士達は、交渉の実も見ぬままで下院を後にしたとの記事が出たと思った途端、統一医療保険システム(SUS)で手術を担当する心臓外科医達が手術ボイコットとの記事が19日伯字紙に出た。こちらも給与に対する不満が原因のようだが、医療関係では、学部卒業後のインターン医がスト突入の報道もあったばかり。公立病院での手術予約には何カ月もかかる上、医師のストなどが重なった中、〃自分の健康は自分で守らないと〃との知人の言葉が重い。