人材育成通じた日伯交流=サンパウロ州・富山県提携25周年=さらなる交流継続誓い合う

ニッケイ新聞 2010年8月20日付け

 各地の県人ゆかりの地を訪問し、1日の記念式典へ出席した富山県南米親善訪問団一行は、7月29日、サンパウロ州教育局で開かれた同県とサンパウロ州の友好提携25周年を祝う式典に出席した。四半世紀の節目に当たり、教育局は同県による教育への貢献に対し感謝の意を伝え、双方が今後の交流を確かめ合う式典となった。
 同日午後、前日に富山県人会リオデジャネイロ支部を訪れた一行はサンパウロ市レプブリカ広場のサンパウロ州教育局に到着。式典には石井隆一知事、鹿熊正一県議会議長、仲外喜雄、梶敬信、湊谷道夫各県議ら訪問団員、パウロ・レナト・ソウザ州教育局長をはじめ富山県人会員、元県費留学生、技術研修生など約100人が出席した。
 最初にソウザ局長が日系、非日系を問わない技術研修員、多文化共生推進委員などの受け入れ、サンパウロ大学文学部日本語学科の学生への奨学金制度などを続ける同県への感謝を述べた。
 続いて石井知事が富山県人の移住の歴史を紹介し、ブラジルのこれからの発展の可能性に言及して「発展と共に距離が縮まる両県州間で、さらに交流を深め、共に発展する事を祈る」と祝辞を述べた。
 石井知事が歴史、文化を紹介する富山県関連の書物、日本語の教材などの目録(約80万円分)をソウザ局長に手渡し、局長からは知事、議員らに2007、8年に州教育局が実施した州立校日本文化教育プログラム「VIVA・JAPAO」の実績を纏めた冊子が贈られた。
 親睦訪問団の北日本民謡舞踊連盟(竹氏修代表)により、豊作を祈願する「こきりこ節」、豊作を祝う「越中おわら節」などが披露され、式典は終了した。
 同式典に出席したファビアナ・パトロ・ニアイオさん(28)は、同県が受け入れを進める多文化共生推進委員として去年の7月から12月まで高岡市野村小学校で勤めた。「日本の教育(特に情操教育など)を見てすごく勉強になった」と満足げに振り返るファビアナさんは、ニッケイ新聞の取材に対し、思っていた以上に熱心にブラジル人生徒への支援を行っている同校の教師、市の職員の姿に驚き、嬉しく思った経験などを語り、今後の両県州の交流持続を願った。