ピラポ入植50周年=岩手県から慶祝訪問団=ブラジル県人会とも交流

ニッケイ新聞 2010年8月20日付け

 パラグアイで行われたピラポ移住地入植50周年式典、国際親善相撲大会等に参加した岩手県庁関係者、同県相撲連盟らによる南米訪問団が5日来聖して、県人らによる歓迎を受けた。
 リベルダーデの同県人会会館での祝賀会には60人ほどの会員、関係者が出席。記念品贈呈、相撲大会の結果報告、太鼓演奏などが行われ、親睦を深めた。
 祝宴は午後7時ごろ、千田曠暁県人会会長の挨拶から始り、岩手県政策地域部部長の加藤主税氏が「南米に来たからには最大の県人会に伺わないといけない」と話し、県人との懇談、会館案内を受け、「活動の一端を見学し、その熱心さに感服しました」と称賛の言葉を贈った。
 相撲連盟の真崎良平氏(滝沢村)が厳しい戦いの中、親善大会で団体4度目の優勝を果たし、個人でも1、2、3位を独占した事などを報告した。
 乾杯後は和やかな雰囲気の会場に、歓談の声が広がった。
 余興もあり、舞台では県人会の太鼓部員らが練習の成果を披露。お返しとばかりに訪問団員の佐々木眞子さん(17、山田町)が一人で2つの太鼓を使い、華麗なバチ捌きで出席者らを魅了した。
 釜石市内の進学校に通う佐々木さんは、高校3年生の夏休みを利用して初めて海外を訪れた。「遠かったけど来て良かった。皆さんが『また来て』と言ってくれた事が嬉しい。県人会の人たちが好きです」と笑顔で話した。日本では大学受験に向け、夏期講習が待っており、「帰ったら頑張って勉強します」と話し、楽しそうに太鼓部員らと一緒に記念撮影をしていた。
 秋の例大祭で歌われる「音頭上げ」を連盟役員の山澤順三さん(盛岡市)が披露し、県人会関係者が合わせて歌う場面も。
 最後には千田会長と加藤部長が「北国の春」を合唱し、祝宴は終了した。
 訪問団は翌日、サンパウロ大学を訪れ、県が検討中であるという桜の植樹の候補地等を視察し、帰国した。