これからも母県とブラジルの架け橋に=群馬県人会=創立65周年と州県提携30年=副知事、議長ら迎え盛大に祝う

ニッケイ新聞 2010年8月27日付け

 在伯群馬県人文化協会(内山住勝会長)は22日、サンパウロ市内ホテルで同会創立65周年および群馬県・サンパウロ州姉妹提携30周年記念式典を開催し、各地から約250人の会員が集まり盛大に祝った。
 母県からはブラジル友好親善使節団の茂原璋男副知事、関根圀男議長、群馬県海外移住家族会の福田初男副会長らが来伯。ブラジル側からは、サンパウロ州代表のキタ・ルイス軍警大佐、ウィリアン・ウー連邦下議、羽藤ジョージサンパウロ市議、小林雅彦在聖首席領事、山下譲二文協副会長、菊地義治援協副会長らが出席した。
 内山会長は県人移住の歴史を振り返り、群馬県とブラジルの深い繋がりを強調。「学術交流事業など母県の支援を受けて会は活性化してきた。これからも会員で一致団結し、両国の関係強化、ブラジル社会への貢献に努めていきたい」と力強く述べた。
 茂原副知事は「多くの困難を乗り越えブラジル社会に溶け込み、確固たる信頼を築いた皆さんは我々群馬県人の誇り」と称え、「会は積極的な活動を行い着実に発展している。皆さんのおかげでサンパウロ州と姉妹提携を結び、密な関係を築いてこられた」と喜びを示した。
 関根議長は「会の皆さんはブラジルとのかけがえのない架け橋。両国の友好促進への尽力に深く敬意を表し、今後とも支援をお願いしたい」と期待を込めた。福田副会長により登丸喜勇会長のメッセージも代読された。
 キタ大佐は「群馬県移住者はサンパウロ州民に日本の文化と伝統を普及させた。地球の反対側からサンパウロ州に大きな発展と名誉をもたらしてくれた」とアルベルト・ゴールドマンサンパウロ州知事のメッセージを代読した。
 群馬県より功労者の佐藤勝さん、小渕民雄さん、石原昌子さんと約60人の高齢者が表彰された。功労者代表の小渕さんが「日本を出発した時には想像出来なかった。日の出を見たような気持ち」と感謝を述べ、高齢者代表の野村次郎さん(84、太田市)は「今後も、研修制度などの交流を通し若い世代にも我々のルーツを知らせていきたい。文化を守りたい」と伝えた。
 婦人部の華やかなコーラスや空手、合気道のデモンストレーション、太鼓演奏が披露されたほか、群馬県のだんべい踊りに会場は盛り上がりを見せた。鏡開きで万歳三唱が行われ、歓談を交えた祝賀会が開かれた。
 初来伯の茂原副知事は、表彰の中で一人ひとりと握手を交わし、「ご苦労を重ね今の社会を作り上げた皆さんはいい顔をしている。高齢者の方も会で元気に活躍しているのを知り感動した」と語っていた。