デカセギの心象世界を研究=上智大三田教授が来伯調査

ニッケイ新聞 2010年9月7日付け

 上智大学外国語学部ポルトガル語学科の三田千代子教授(東京)が、昨月から調査のために来伯している。2週間の滞伯期間中にサンパウロ市内、モジ・ダス・クルーゼス、ジャカレイ、アラサツーバなどでデカセギ、その家族らを対象にアンケート調査を行う。
 サンパウロ総合大学(USP)で社会人類学の博士号を取得した三田教授は、上智大学でブラジルの社会史や社会格差問題、ジェンダー論などを教えている。
 デカセギの生活範囲や意識のレベルを表す「心象世界」の構造の把握をテーマに研究しており、日本でデカセギ683人を対象にしたアンケート調査を実施。今回はデカセギ家族ら200~300人を対象に紙でのアンケート、インタビューを行い、デカセギがブラジルに残る家族らとどのように連絡をとっているのかを分析する。
 三田教授は「日系社会を例に、国境を越えて人が動く現象を心理的な面から観察し一般化したい」と説明し、日系社会に協力を呼びかけた。連絡先はメール(=c-mita@sophia.ac.jp)まで。三田教授の日本での調査報告は、サイト(http://pweb.cc.sophia.ac.jp/cmita/)で見ることができる。